2022/09/04

ARISS用のAPRS iGateを動かしてみた件

Raspberry PiとRTL2832Uを使って、APRSのiGateが構築できることを知りました。受信専用ですが、無線機も占有されないし、パソコンも起動しなくてよいのでARISS用には都合がいいと思います。


145.825 MHzをRTL2832Uで受信して、そのデータをDire WolfというソフトウェアTNCにリダイレクトして、iGateのサーバーにデータを投げる仕掛けのようです。


参考にしたサイト

ラズパイ3でAPRS iGate - Chigashi_Wiki (0t0.jp)
にゃん太郎とアマチュア無線 : RTL-SDR+direwolf+xastirでのAPRSの運用 (ldblog.jp)


参考サイトの手順とだいたい同じ手順で、つまづいた部分を追記しました。以下の手順でできると思いますが、APRSのサーバーに負荷をかけないように慎重にされた方が良いようです。


一連の作業の前に、自分のコールサイン(SSIDは考慮不要)に紐づいたiGateの登録番号が要ります。ネットで探して入手してください。


作り方

  1. Raspberry PiにOSを入れます。一番基本の、32 bit GUIありが簡単。

  2. WLANの設定をしてAPに接続します。
    GUIでやるか、
    /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf をsuで編集する。

  3. SSHで操作したいので、IPを固定する。
    GUIでやるか、
    /etc/dhcpcd.conf をsuで編集する。

    interface wlan0
    static ip_address=192.168.xxx.xxx/24
    static routers=192.168.yyy.yyy
    static domain_name_servers=192.168.yyy.yyy

  4. SSHをonにする。GUIでしました。
    以降は、SSHから作業してます。

  5. RTL2832Uを使えるようにする。
    ユーザー権限で
    $ sudo apt-get install rtl-sdr

    /etc/modprobe.d/rtlsdr-blacklist.conf をsuで作成し、以下を記入。

    blacklist dvb_usb_rtl28xxu
    blacklist rtl2830
    blacklist dvb_usb_v2
    blacklist dvb_core

  6. shutdownして、RTL2832Uを接続して動作確認。
    $ rtl_test -t

    PLL unlockとかNo E4000 tuner foundとか無線していると怖いようなメッセージが出ますが、それで動作okのようです。

  7. Dire Wolf Software TNC のインストールする準備
    Dire Wolfをmakeする際に必要ですので、以下を入れます。
    $ sudo apt-get install git
    $ sudo apt-get install gcc
    $ sudo apt-get install g++
    $ sudo apt-get install make
    $ sudo apt-get install cmake

    あと、これもないとインストール中にエラーが出ますので入れます。
    $ sudo apt-get install libasound2-dev
    $ sudo apt-get install libudev-dev
    $ sudo apt-get install libavahi-client-dev

  8. Dire Wolf Software TNC のインストール
    $ cd
    $ git clone https://www.github.com/wb2osz/direwolf
    $ cd direwolf
    $ mkdir build && cd build
    $ cmake ..
    $ make -j4

    /home/yourusername/direwolf/conf/sdr.confをコピーして、自分用に編集。
    $ cd
    $ cp ./direwolf/conf/sdr.conf .

    sdr.conf の中身

    ADEVICE null null
    CHANNEL 0
    MYCALL JM2FCJ-10
    IGSERVER japan.aprs2.net
    # IGSERVER japan.aprs2.net:14579
    IGLOGIN JM2FCJ-10 xxxxx ここに自分の登録番号
    OBEACON sendto=IG delay=0:10 every=30:00 objname=JM2FCJ-10 symbol="R&" lat=34^xx.xxN long=136^yy.yyE comment="RX-Only iGate 145.825MHz 1.2kbps for ARISS" xx, yyは自分の緯度と経度

  9. 起動用のシェルスクリプトを書く
    dw-start.sh の中身

    rtl_fm -f 145.825M -p -10 -o 4 - 2>/var/log/direwolf/rtl_fm.log | direwolf -c /home/yourusername/sdr.conf -t 0 -n 1 -r 24000 -b 16 - 2> /var/log/direwolf/error.log 1>/var/log/direwolf/output.log &

    -p -10 は、RTL2832Uを -10 ppm に設定するものです。状況に応じて調整してください。

  10. 参考サイトの手順通りですが、エラーが出ましたのでその対応。
    $ sudo mkdir /var/log/direwolf
    $ sudo chown yourusername:yourusername /var/log/direwolf
    $ sudo chmod 777 /var/log/direwolf
    $ cd /var/log/direwolf
    $ touch error.log
    $ touch output.log

  11. 起動時にシェルスクリプトを呼ぶように設定
    $ sudo vim /etc/rc.local に以下を追記

    /bin/sh /home/yourusername/dw-start.sh

  12. 再起動

  13. 再起動後にログを確認します。
    $ cd /var/log/direwolf

    以下の3つのファイルができています。
    error.log  output.log  rtl_fm.log

    output.log を見ると、IGate server japan.aprs2.net に接続して、適切な負荷が少ないサーバーに自動接続されます。接続先の情報があるURLが表示されていると思います。

    小一時間経つと、aprs.fi にアイコンが表示されました。


  14. 145.825 MHzでパケットを出してみて、受信パケットがiGateを通じてaprs.fiに表示されるかを確認して完了です。



手順6番まではサクサクいきましたが、7番あたりでごちゃごちゃエラーが出たのでDire Wolfのマニュアル読んだり、8, 9あたりも自分用にするのに1日がかりでした。

肝心のARISSのパケットの運用が停止しているので、まだ実運用での確認はできてません😂

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