2022/12/16

GreenCube IO-117のテレメトリーをSatNOGS DBにフィードする件

GreenCubeを運用し始めた当初から、テレメトリーをSatNOGS DB (SatNOGS DB - GREENCUBE) にフィードするようにというアナウンスが度々ありましたが、先人たちはツールがうまく動かないとか・・で、私は試していませんでした。

JA3TDWさんがTLMを紹介されていて気になっていたところ、ちょうどJH8FIHさんが導入に成功したとのことで、教えてもらいましたので紹介します。


  1. Satellite Telemetry App (TLM) – ZR6TG にアクセス 

  2. 画面下の方からTLMをダウンロードする


  3. 画面下から1/3ぐらいの Available Plugins からGreenCube用のプラグインをダウンロード


  4. ダウンロードしたTLMとプラグインをzip解凍

  5. TLMSuite.exe を起動

  6. File - Settings から必要な設定を行う


    設定する箇所
    ・IO-117のTLEが入ったファイルを指定
    ・手順3でダウンロードしたGreenCube用のプラグインを指定
    ・コールサイン
    ・経度
    ・緯度
    ・標高 (mだと思う)
    ・SoundModemのKISSポートの指定 (ポートを8100にする)
    ・Live serverを選択
    [Save]を押す


  7. 衛星を選択して必要なチェックをします。ビーコンを受信するとフィードされます。




フィードされたデータは以下で確認できます。






435 MHz 直下LNAを作っている件 その2

こちらの続き
PM84il のヒト: 435 MHz 直下LNAを作っている件 


バイアスTの部分を作りました。

カップリングコンデンサは20種類ぐらい試しました。チップコンデンサから始まり、セラミックコンデンサ、ディップドマイカなどなど。容量や並列などいろいろ試して、結局103と102のリードタイプのセラミックコンデンサが一番特性が良かったです。

Lも巻き数や間隔などを調整して、VNAを見ながら通過ロスとVSWRの良いところを選びました。

最終的に、通過ロス-0.39 dB、VSWRが1.27です。


気になっていたリレーの立ち上がり速度の調査。
RF回路にDCを通過させてオシロで計測。

黄色: コイルの電圧
水色: リレーの接点
10 msの遅延がありました。

立ち上がり部分の拡大。
500 usの間、チャタリングがあります。
10.5 msはRFを入れない方が良いようです。

ゴミ箱から拾ってきた同軸にSMAを取り付けます。
芯線のはんだ付け。

編線のはんだ付け。

リレー基板に同軸を接続しました。

バラックでIC-9700につないで動作確認。
メニューで外部プリアンプをONにするとリレーとLNAが動作しました。
送信してRFを入れていきます。0.5 W程度から徐々に上げていき、
50 Wの連続でも発熱等問題がないことを確認しました。一安心。

基板のリレー面は、組み込んだら裏面になるので記念撮影。
ATS製のCX-442というリレーです。コイルは8 V仕様。

シールドBoxに組み込みます。
コネクター部からの浸水や電蝕防止のために、導電グリスを塗りました。

組み込んだところ。

こんな感じになります。
箱は、タカチのHQ16-16-8N、中のアルミ板はHQP16-16、
取付金具はSSK-170、取付金具のネジはSSK-B5-8Tです。

バンドは52~76mm用。φ48.6 mmのパイプに固定できます。
バンドはタカチでSNB52-76を買うと安いんですが、
残念ながらマルツでは取り扱いがなく、ホームセンターで高いのを買いました。





夕方になったので、タワーには取り付けできず、しばらくデスクトップで使用しています。

GreenCubeがS8まで振るようになって、快調です。



2022/12/11

435 MHz 直下LNAを作っている件

GreenCubeがきっかけだったわけではないんですが、サテライトやEMEをしていて435 MHzの受信を良くしたいと思い、いつかは直下プリを入れたいと思っていました。

現在の設備は、アンテナからの同軸は23 mで、10D-FBとは言え、リグに来るまでは2 dBほどのロスになっています。

思いついて1年、GreenCubeの登場が製作開始のきっかけになりました。


WLANなどのデバイスが進化していて、NFが低いMMICがたくさんあるようです。最初はMMICを買って作ろうと思っていましたが、コスモウェーブでBPF付きのLNAを売っていることを知り購入しました。

到着して気づいたのですが、BPFはMMICの出口についていました。アンプの飽和でブロッキングなどを心配していたので、てっきりBPFはMMICの入り口に入っているもんだと信じていましたが、どうやら違うようです。LNAの製作記事を見てもほとんどがフィルターは出口についています。

理由をあれこれ考えていたのですが、たどり着いた答えは、NFを下げるためなんだと思います。アンプの入り口につくロスは、純粋にNFに加算されますので。


でも、サテライト通信では145 MHzのアップリンクがあるので、入り口にフィルターを設けたい・・・、ということで、懸念事項のフィルターづくりからスタートです。

参考にさせてもらったのはこちら。
JN4JGKのアルパカ日記:モビホでSAT。(デュプレクサーの制作) (livedoor.jp)


上記の記事をもとに回路を検討しました。435 MHzを通過させる5ポールのHPF (C - L - C - L - C)を構成して、一つ目のCにはLを並列にして145 MHzのトラップも兼ねさせます。

乗数は上記の記事と大体同じです。

MMANAで空芯コイルの計算をして、都合の良いインダクタンスと巻き数になる直径の物に巻きました。送信パワーは通さないので細い線材です。

18 nHは2ターン、0.17 uHは6ターン。
このあと、特性を調べるために7~10ターンの物も作り、最終は7ターンを使用。

サンハヤトのFR-4の両面ガラエポ基板にマイクロストリップラインを構成します。450 MHzでの誘電率はおよそ4.5、ほかに基板厚さ1.6 mmと、銅箔厚さ35 umもパラメーターになります。
計算すると、50 Ohmの伝送線路を構成するためには、幅3.0 mmにすれば良いようです。また、伝送線路幅と同じだけグランドの逃げがあれば、特性インピーダンスは乱れないようです。

カッターで切り込みを入れて、はんだごてで加熱しながら不要な銅箔を剝がしました。

サンハヤトのスルピンKITでスルーホールを作ります。
20年前にFETを並べてリニアアンプを作った時に買ったもの。

こんな感じに仕上がりました。
Cは7 pFのチップコンデンサを使用しています。
3.5 pFの部分は、直列になっています。
VNAを見ながらコイルの間隔や角度を変えました。(上の写真は調整前)

こちら、フィルターの特性です。
145 MHz: -60.5 dB
435 MHz: -0.115 dB, RL -27.11 dB VSWR 1.092



次に、リレー回路の製作。

本当は、eBayとかでトランスファースイッチを購入予定でしたが、為替の問題とかで意外と高いのと、20年前に買った詳細スペック不明の同軸リレーを所蔵していることを思い出したので、それで作ることにしました。
オークションなどで調べてみると、同様の物はVHF業務機に使用されているようで、UHFでの特性はよくわからないものでした。

CADで図面を書いて、印刷したものを両面基板に貼ってドリルで穴あけします。
マイクロストリップラインの幅も、カッターで図面の上からしるしを付けました。

フィルター基板と同じようにスルーホール加工。

反対面

各ユニットが出来たところ。
リレーユニットはスルーで0.45 dBのロス。自作のマイクロストリップラインでもなななか良い感じです。心配していたリレーも、435 MHz帯で問題なく使用できそうです。
トランスファースイッチだったら0.1 dB台が出てたかも。

無鉛はんだでNコネを付けるのは結構大変でした。
バイアスTの回路はまだできていませんが、ここのカップリングコンデンサやLの調整で、もう少しスルーの特性を良くしたいと考えています。



ここまででアンプに入るまでにNFがどうなるか考えてみると・・・、
アンプ前に追加するケーブル0.15 dB、フィルター0.12 dB、リレー(半分で)0.23 dBで、0.5 dBほどのロスがNFに加算されます。

今週はここまで。




2022/12/03

頒布予定 手持ちSATアンテナ部品 @支部大会

手持ちSATアンテナの部材を12/4のJARL三重県支部大会で頒布予定です。 

(2022/12/11 追記: まだ残ってます。ほしい方はご連絡ください。)


関連記事

PM84il のヒト: 手持ちSATアンテナ(小八木)を作った件

PM84il のヒト: 手持ちSATアンテナ(小八木)を作った件 その2


頒布するのは以下の物です。


  • 145 MHz 5 el: エレメントブラケット x 4個, 給電部ブラケット x 1個 (@ 250)
  • 435 MHz 8 el: エレメントブラケット x 7個, 給電部ブラケット x 1個 (@ 250)
  • ハンドル x 1個 (@ 500)

3750円

5セットあります。(2023/1/14追記: 在庫が無くなったら作ります。色指定はできません。)


アルミパイプ、アルミチャンネル(または角パイプ)、ネジ類、BNCコネクター、その他金物類は各自でご用意いただきますようお願いします。

  • アルミパイプはφ6 mmを推奨します。
    (φ4 mm~6 mmに対応しています。給電部のみφ6 mm)
  • ブームは10 mm角のチャンネルもしくは角パイプが適合します。
  • ネジ類 M4 x 10 ~ 20 mm(チャンネル凹部、平面、エレメント直径に依存)、
    M2.6 x 10 mm(給電部BNC用)、
    タッピング(給電部)
  • BNCは一般的なものが使用できます。穴径9 mm、ネジ間隔12.5 mm (PCD 18 mm)
  • その他金物類としては、給電部の工作用。電線とかでもokです。

図面は上記関連記事をご参照ください。
(ブームの図面長は1300 mmですが、上記記事では1350 mmで製作しています。)


アマチュアが3Dプリンターで作っているものですので、バリなどがあると思います。
けがや損害等の責任は負いませんので、特性を十分ご理解の上、ご利用いただけますようお願いします。


KASHIWA 受信報告 その2

PM84il のヒト: KASHIWA 受信報告  の続き。 今日から秋祭りの準備🤣で出かけてて、ひとつ前のパスは逃しました。 JE3HCZさんがTLMをSatNOGSに送り込むことができたというXの投稿を見て、12時前のパスで受信してみました。 まず、AOSからいきなりS9の...