GreenCubeのディジピーターにアクセスするのに四苦八苦しましたので、まとめを作りました。ここをたどればできると思います。
大まかな流れ
- 自局の設備の確認
- Greencube Digipeater package をダウンロード
- GNURadio のインストール
- Digipeater ソフトのインストール
- hamlib のインストール
- SatPC32ISS で無線機の制御
1. 自局の設備の確認
マニュアルによると、以下の条件が必要です。
- SSBが送受信出来ること
- 25 W以上の出力があること
- 追尾可能な12 dBi以上のアンテナが必要
仰角が振れなくても、DXとの交信はできます!
(2022/11/27追記: 受信のデコードさえできれば、15 ELぐらいの八木と2.5 Wでもアクセスできました。)
2. Greencube Digipeater package をダウンロード
公式ページ S5Lab | Sapienza Space System and Space Surveillance Laboratory にアクセスして、パッケージをダウンロードしてください。上の方にある「GreenCube」→「Digipeater」をたどると、Greencube Digipeater package (1.5 MB – Free download) があります。
ここにマニュアル(GreenCube Digipeater Manual v1.1.pdf)も入っています。
3. GNURadio のインストール
(GreenCube Digipeater Manual v1.1.pdf の 6.1項)
GNURadio version 3.7.13.5 をインストールします。GNU Radio - The Free & Open Source Radio Ecosystem · GNU Radio からダウンロードできます。
手順通りバージョンは3.7.13.5を選択。500 MBあります。
10分ほどでインストール完了。
4. Digipeater ソフトのインストール
(GreenCube Digipeater Manual v1.1.pdf の 6.2項)
DigipeaterTNC.exeを起動して、そのまま閉じる。
C:\Users\(ユーザー名)\GreenCube に config.ini ができるのでメモ帳で編集する。
- SSB_TX_Offset = 1600 のコメントアウト(;)を外す
- CallFrom = JM2FCJ 自局のコールサインを入れる
- KeyUpDelay = 400 に変更する
(2022/12/16追記: TXDは最近80 msにしています。短い方が周波数を占有しないので、400より短めに設定することをお勧めします。)
(GreenCube Digipeater Manual v1.1.pdf の 6.3項)
GNURadioスタートボタンから起動して GreenCube_RX_SSB_TX_SSB.grc を開く。
▶️ボタンを押すと動作します。
(GreenCube Digipeater Manual v1.1.pdf の 6.5項)
DigipeaterTNC.exeを動かす。起動するだけ。
(GreenCube Digipeater Manual v1.1.pdf の 6.6項)
DigipeaterGUI.exeを動かす。起動するだけ。
5. hamlib のインストール
(GreenCube Digipeater Manual v1.1.pdf の 6.4項)
github から Hamlib 4.5 をダウンロードして展開。
\hamlib-w64-4.5\hamlib-w64-4.5\bin を開いて、以下を実行する。
運用の際には毎回起動しないといけないので、batファイルを作っておくと良いです。
- rigctld --model=3081 --rig-file=COM4 --ptt-type=DTR
ここで3081はIC-9700です。rigctl -l (d無し) でモデルのリストが表示できます。
CAT (CI-Vなど)の場合は、ptt-type=RIG 、その他、RTSなども使用できます。
CATはSatPC32ISSでドップラー制御に使いたいので、DTRかRTSでPTT制御します。
DigipeaterGUI.exeの Send を押してPTTが動作して変調がかかることを確認する。
6. SatPC32ISS で無線機の制御
GreenCubeはAOSするときに、約+4 kHzのドップラーがあります。
例えば、衛星のTx周波数から4 kHz上でダウンリンクを受信して、そこでアップリンクしたら、衛星では8 kHz上で受信されることになるので、アップリンクは衛星のTx周波数から-4 kHzで送信する必要があります。
同一バンドでの衛星固定周波数でのドップラー制御をするために、SatPC32ISSを使用します。www.dk1tb.de/indexeng.htm ここからダウンロードできますのでインストールしてください。自局の緯度経度、標高、リグなどの必要な設定をした後、GreenCube用に以下の設定をします。
- Doppler.SQFに以下の一行を追加
GREENCUBE,435312.3,435312.3,LSB-D,LSB-D,NOR,0,0
(リグに応じてLSB-DでなくLSBかもしれません。その他、周波数は微調整ください。) - Satelliteメニューで GREENCUBE を追加 (nasa.all などに入ってます)
- Modeメニューで Doppler correction at: を Uplink + Downlink にして Store
左上の C- をクリックして C+ にするとリグが制御されます。
リグでVFO A/Bとも、LSB-D (USB data端子からの変調の場合)にします。
ローテーターの方位、仰角制御も出来ます。
(2022/11/27追記: V12.10を入れて、その後SatPC32ISSだけベータバージョンを入れるのをお勧めします。ベータ版では、周波数の制御と、USB-D/FMモード切替が改善されています。)
デジを試してみる
ここまで来たらデジができる環境ができているはずですので、以下の順番で運用できます。
- SatPC32ISSで無線機を制御する
- GNURadioを起動して GreenCube_RX_SSB_TX_SSB.grc を走らせる。(▶️ボタン)
- hamlib を動かす rigctld --model=3081 --rig-file=COM4 --ptt-type=DTR
- DigipeaterTNC.exeを起動する
- DigipeaterGUI.exeを起動する
- ビーコンを受信したら、GNURadioのスコープに入るように、SatPC32ISSの↑↓ボタンで周波数を微調整する
- ビーコンがGUIにデコードされたら、Telemetryタブを確認してください。Digipeater Statusで衛星の動作状況が分かります。Digipeaterが動いていれば、GUIで送信してみてください。
(2022/11/27追記: ここから --->
DigipeaterTNC.exe がよく落ちます。
落ちても勝手に起動するように、以下の内容でBATファイルを作成すると良いです。
上記4番の手順では以下のBATを起動するということです。
:startC:\--- ご自分の環境のパス ---\TNC\DigipeaterTNC.exegoto :start
<--- ここまで)
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